鉄道車両に付いている片仮名の名前を見たことがあると思います。クハ、クモハ、キハ、オハネ、オロネなどなど様々です。実はこの名前には法則があり、カタカナを知れば見ただけでその車両の特徴がわかるんです!
1番目の文字(2文字もあり)は車両の種類記号
それでは国鉄時代の形式表記を見てみましょう。カタカナのあとに数字がきますが、今回はこの「カタカナ」に注目してゆきます。最初の文字は「ク」の様な1文字の場合と、「クモ」の様に2文字で表わされることがあります。これは「車両の種類」を表しています。
最初の文字が、ク、モ、サであれば電車なんだ!とわかります。例えば 運転台があり、動力装置がついた車両は「クモ◯◯」となるわけです。中間車などでは「サ」や「モ」などからはじまるのが一般的です。
種類記号 | 車種 | 説明 | 備考 |
---|---|---|---|
クモ | 制御電動車 | 運転台付き動力装置付きの車両 | ク+モ |
ク | 制御車 | 運転台付きの車両 | |
モ | 電動車 | 動力装置付きの車両 | モーターのモ |
サ | 付随車 | トレーラー車両 |
※ク/サの由来は「ク」編成にクッツケル、「サ」編成に差し込む、という説が有力です。
2番めの文字は車両の設備記号
それでは2番目以降にある記号はなんでしょうか。こちらは「車両の設備」を表しています。例えば、583系「きたぐに」で使われた「サロネ581形」は、サ…付随車、ロネ…A寝台車となります。グリーン車や食堂車は、振動や騒音を減らすため電動車ではなく、付随車が使われることがおおいため、サロ(付随車、グリーン車)、サシ(付随車、食堂車)となります。しかし、JR西日本の287系などに存在する先頭車クモロハ286形の様に、制御電動車グリーン車+普通車なんていう車両もあります。クモユニは制御電動車(クモ)で郵便車(ユ)、荷物車(ニ)として使われる車両です。
設備記号 | 車種 | 備考 |
---|---|---|
ロネ | A寝台車 | ロで、 寝(ネ)るための車両 |
ハネ | B寝台車 | ハで、 寝(ネ)るための車両 |
ロ | グリーン車 | かつては1等車とも ※ |
ハ | 普通車 | かつては2等車とも ※ |
シ | 食堂車 | ショクドウのシ |
ユ | 郵便車 | ユウビンのユ |
ニ | 荷物車 | ニモツのニ |
ヤ | 職用車 | 事業用車両 |
エ | 救援車 | 事業用車両 |
ル | 配給車 | 事業用車両 |
※20160420追記:「イロハ」はかつて、それぞれ1等車、2等車、3等車を表していましたが、その後「イ」が廃され、ロハが繰り上がりました。現在、ななつ星などで運用される「マイ77・マイネ77・マイネフ77」で「イ」が復活しています。また車籍の復活したマイテ49なども「イ」が使われています。
このカタカナ表記は国鉄時代のもので、JR発足以降に作られた車両ではJR各社が独自にあたらしい形式を定めたものもありますが、基本的にはこの車両型式が踏襲されているので、冒頭のJR東海「クモハ371形」もこれに沿っています。私鉄各社もこれに準じたものが多く、例えば小田急電鉄の検測車両「クヤ31 テクノインスペクター」も制御車(ク)+職用車(ヤ)となっています。この車両は電動車(モ)ではないため、自走出来ないこともわかるのです。
車両がわかると模型も楽しい!
Nゲージなどでは「モハ」だからといって、模型としてのM車になるとは限りませんが、もしあなたが自由に、フリーランスの編成を組んだとしましょう。
たとえば空想編成として、◯◯年に◯◯車両基地から貸し出されたイベント列車編成!と自由な編成(嘘編成ともいいますけれど)を組んだ時、1両も「モ(電動車)」がなければ、オリジナル編成の前に、走らない編成となってしまいますからね!
車両を知って、鉄道模型ライフをもっと楽しくしちゃいましょう〜!
カテゴリ:[特集 ]
著者:鉄道模型部 編集部