Nゲージジオラマ作成!2/6「大地と田んぼを作ろう」

鉄道模型部ではお手軽Nゲージジオラマ「夏の田んぼとローカル線を作る」を全7回に分けておおくりしております。第2回の今回は「大地と田んぼ」です。初心者の方はもちろん、夏休みのお子さんと一緒に作成するなど、楽しんでみてくださいね!

第一回 お手軽ジオラマ作成!その1「レールを塗装してベースに固定する」 はこちら。

ジオラマ「夏の田んぼとローカル線」完成写真です。

厚紙であぜ道や線路脇の大地を作る

前回ベースに固定した線路を中心に、線路の左右とあぜ道を厚紙で作ります。厚紙を木工用ボンドで3枚程度重ねます。

厚紙を使って大地の高さを稼ぎます。もちろん”ねんど”だけでもOKですが、そうするとねんどが沢山必要なのです!

乾いたかなぁという頃に、100円均一ダイソーでいま部員Iのなかで大ヒットな「ふわっと軽いねんど」を用意します。様々な色があり、いつもは白を使っていましたが、今回はじめてブラウンを買ってみました。大地が茶色なら地面を作りやすいかなと考えたわけです。

これが「ふわっと軽いねんど」です。乾燥後の加工もしやすく、また伸びが良い事と、水で軽く濡らすと表面を仕上げやすいので重宝しています。

「ふわっと軽いねんど」はその名の通りとても軽く、大きめのレイアウトで山などに多用してもレイアウトの総重量がとても軽く済みます。軽いレイアウトやジオラマは運びやすくなりますから、大変便利です。

また、このねんどはそのままでも伸ばしやすく、擦り付ける要領で簡単に大地が整形でき、さらに水に溶けやすい性質ですから、指に水をつけて伸ばすことでリアルな地面が造形できるのです。

ねんどを練って、押し付けるように整形します。この作業もそんなに細かく精密になんて考えず、気楽に行いましょう!

指に水をつけて表面を慣らします。防水作業の順番を間違えましたので…あまりコルクや厚紙に水がつかないように注意です。なお、「ブラウン」のねんどを初めて使ってみましたが、水をつけたら色がムラになり、美しくありません…。とはいえまだこれは「大地」です。このあとの作業で「地面」にしますのでご安心下さい!

Nゲージの田んぼを人工芝で作る

その昔からNゲージや16番のレイアウトに田んぼを作るといえば「人工芝」がしばしば使われてきました。今回はその手法を後世に伝えるべく、人工芝での田んぼ制作をご紹介します。

まず、幅90cmの人工芝をホームセンターなどに探しにゆきますが、この時毛足(葉先?)が6mm程度のものを探しましょう。なお今回は真夏の設定ですので、明るいグリーンのものを用意しましたが、もっと細めで茶色もはいった「ちょっと秋の田んぼ」に使えそうな製品もありました。今回購入したものは幅90cmで10cm単位で切り売りしてくれました。標準価格は1mで500円。50cm買ったので大体250円位で広大な田んぼを手に入れたわけです(笑)

幅90cm、長さ50cmの人工芝です。1000円あれば畳1畳分の田んぼが作れます(笑

人工芝の田んぼはハンダゴテで揃えよう!

人工芝のままですと、全体的に「ぶわっ」としていますので、「線上」になるように揃えます。

人工芝の目を揃えるのに使用するのが「ハンダゴテ」です。熱したハンダゴテを芝にあてると、少しだけ溶けて成形できますから、金尺(ステンレスなどの金属でできた定規)をあてて、スジをつけます。

この時、ハンダゴテを一箇所に当て続けると人工芝が溶けすぎ、最悪燃えてしまいます。燃えないように「距離10cmくらいを1秒位」で動かしましょう。また人工芝を熱で溶かしているので匂いもでますから換気をよくして作業してくださいね。

金尺をあてて、ハンダゴテで田んぼの稲の整列している様を表現します。やけどや火災にはくれぐれもご注意下さい。換気は必須です。

今回は付けた線から5mmほど離して次のハンダゴテを当てています。これを繰り返すと…見事に「田んぼ」が出来ました!

右半分が田んぼです。そして左半分はなにもしていない「人工芝」です。いかがでしょうか!

田んぼを貼る前に防水!

出来上がった田んぼをはさみで切ってベースに貼るのですが、その前にベースを防水します。この100均ベースはダンボールにコルクを貼り、まわりを木枠で止めてありますから、このコルクを水で濡らしすぎればべっこべこになってしまうのです。これを防ぐために「ターナー色彩 アクリル絵具 イベントカラー」を使います。これはもともとレイアウトのトンネル内を塗装したり、レイアウトやジオラマの断面部分を塗るために使っていましたが、乾くと耐水性になるので、防水にも使っています。乾くとビロードのような素敵な質感ですよ!

ターナーイベントカラーです。筆で塗った時、塗料の伸びがとても素晴らしく、乾けばビロードのような美しいつや消しになります!トンネル内につかうと、室内灯やヘッドライトの反射も抑えられて便利です。また、レイアウトやジオラマの外側に塗れば綺麗な模型になるのです!

イベントカラーを筆で塗ります。今回は「田んぼの端が見えた時に黒ければ目立たないから黒!」という点と、今後パウダーを撒く時にダンボールを保護する「防水」のためですので、こちらも大雑把に塗って大丈夫です。ただ、木枠とコルクの隙間にはきちんと塗料を塗って防水しておきましょう。

人工芝田んぼを植えよう!

次は田んぼを植える(貼る)わけですが、形と大きさを確認するためにコピー用紙を大地にあてて、マジックで型どりします。さきほど塗ったイベントカラーは乾燥も速く、30分もあれば綺麗なつや消しになりますので、乾いたことを確認してから作業しましょう。型どりした紙を切り、人工芝にあててはさみで切ればあとは貼るだけ…なのですがここでちょっと一工夫。

田んぼと地面の境には、水で地面が崩れないように木の板でせき止められています。これをリアルウッド  サンセットオーク を細切りにして作った大地と田んぼの間にいれてあげると、「ちょっとした自己満足」につながるのです!リアルウッドはシールのようになっているので細切りにした2枚を重ねあわせると、連続した木の板っぽく見えますよ!

※なおストラクチャーなどで「ここぞ!」という「木目表現」では別なものを使っていますので、またの機会に!

木目表現を簡単に再現できます。本来はフローリングなどの傷隠しにつかったりするシールです。

先ほどのリアルウッドを細切りにして、2枚を貼り合わせるとこんな感じに。

田んぼの接着にはゴム系接着剤を使います。木工用ボンドでは乾燥までに時間がかかり、浮かないように重しが必要ですが、人工芝 田んぼのうえに重しをのせるとせっかく作った稲が全部潰れてしまいます。このため大地に接着剤を塗ったら1分ほど放置して半乾きにし、田んぼをはったら定規などで「稲の間」を押してあげると綺麗に接着できます。

田んぼの接着にはゴム系接着剤をあたかじめ全体に塗っておきます。切りだした「板」は、田んぼ接着の前にゴム系接着剤で「土との境界」に接着しましょう。

人工芝の田んぼができました。稲のあいだに定規などをいれて上から抑えてしっかりと接着しておきましょう。例の「板」がほんの少しだけ、精密感をアップしてくれました!

ジオラマに田んぼができました

その1、その2でジオラマはここまでできました。接着剤や塗料の乾燥待ちを除けば今回も1時間程度で作業できるかと思います。焦らずにゆっくりと進めましょう!

ここまでで完成した「田んぼ」のジオラマです。昔ながらの人工芝を使った田んぼは、お手軽工作にも関わらずとても素晴らしいものです。まさに夏ですね!なお、田んぼの「方向」は作例のように多少ランダムなほうがそれっぽい気がします。

なお今回のシリーズでは、なるべく安全にとシンナーなどを使わないような工作を紹介しています。しかし工作にはカッターなど刃物の取り扱い、塗料や接着剤など揮発性のあるもの、高温になるハンダゴテなどがありますから、安全に十分注意して作業しましょう!

それではまた、「その3」でお会いしましょう!

お手軽ジオラマ作成シリーズ

その1「レールを塗装してベースに固定する」

その2「大地と田んぼを作ろう」

その3「さくっと踏切を作ろう」

その4「バラストを撒いて地面を作ろう」

その5「ジオラマを緑化しよう」

その6「完成編:ジオラマの仕上げをしよう」

 


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