【豆知識】クハ、クモユニ、サハ…電車のカタカナに隠された秘密!

鉄道車両に付いている片仮名の名前を見たことがあると思います。クハ、クモハ、キハ、オハネ、オロネなどなど様々です。実はこの名前には法則があり、カタカナを知れば見ただけでその車両の特徴がわかるんです!

JR東海の371系の先頭車「クモハ371形」。クモハってなに?

1番目の文字(2文字もあり)は車両の種類記号

それでは国鉄時代の形式表記を見てみましょう。カタカナのあとに数字がきますが、今回はこの「カタカナ」に注目してゆきます。最初の文字は「ク」の様な1文字の場合と、「クモ」の様に2文字で表わされることがあります。これは「車両の種類」を表しています。

最初の文字が、ク、モ、サであれば電車なんだ!とわかります。例えば 運転台があり、動力装置がついた車両は「クモ◯◯」となるわけです。中間車などでは「サ」や「モ」などからはじまるのが一般的です。

種類記号 車種 説明 備考
クモ 制御電動車 運転台付き動力装置付きの車両 ク+モ
制御車 運転台付きの車両
電動車 動力装置付きの車両 モーターのモ
付随車 トレーラー車両

※ク/サの由来は「ク」編成にクッツケル、「サ」編成に差し込む、という説が有力です。

2番めの文字は車両の設備記号

それでは2番目以降にある記号はなんでしょうか。こちらは「車両の設備」を表しています。例えば、583系「きたぐに」で使われた「サロネ581形」は、サ…付随車、ロネ…A寝台車となります。グリーン車や食堂車は、振動や騒音を減らすため電動車ではなく、付随車が使われることがおおいため、サロ(付随車、グリーン車)、サシ(付随車、食堂車)となります。しかし、JR西日本の287系などに存在する先頭車クモロハ286形の様に、制御電動車グリーン車+普通車なんていう車両もあります。クモユニは制御電動車(クモ)で郵便車(ユ)、荷物車(ニ)として使われる車両です。

設備記号 車種 備考
ロネ A寝台車 ロで、 寝(ネ)るための車両
ハネ B寝台車 ハで、 寝(ネ)るための車両
グリーン車  かつては1等車とも ※
普通車  かつては2等車とも ※
食堂車  ショクドウのシ
郵便車  ユウビンのユ
荷物車  ニモツのニ
職用車  事業用車両
救援車  事業用車両
配給車  事業用車両

※20160420追記:「イロハ」はかつて、それぞれ1等車、2等車、3等車を表していましたが、その後「イ」が廃され、ロハが繰り上がりました。現在、ななつ星などで運用される「マイ77・マイネ77・マイネフ77」で「イ」が復活しています。また車籍の復活したマイテ49なども「イ」が使われています。

このカタカナ表記は国鉄時代のもので、JR発足以降に作られた車両ではJR各社が独自にあたらしい形式を定めたものもありますが、基本的にはこの車両型式が踏襲されているので、冒頭のJR東海「クモハ371形」もこれに沿っています。私鉄各社もこれに準じたものが多く、例えば小田急電鉄の検測車両「クヤ31 テクノインスペクター」も制御車(ク)+職用車(ヤ)となっています。この車両は電動車(モ)ではないため、自走出来ないこともわかるのです。

車両がわかると模型も楽しい!

Nゲージなどでは「モハ」だからといって、模型としてのM車になるとは限りませんが、もしあなたが自由に、フリーランスの編成を組んだとしましょう。

たとえば空想編成として、◯◯年に◯◯車両基地から貸し出されたイベント列車編成!と自由な編成(嘘編成ともいいますけれど)を組んだ時、1両も「モ(電動車)」がなければ、オリジナル編成の前に、走らない編成となってしまいますからね!

車両を知って、鉄道模型ライフをもっと楽しくしちゃいましょう〜!


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